1. Mermaid Live Editor(https://mermaid.live/)とは?
Mermaid(マーメイド)は、テキストベースでフローチャートやシーケンス図、ガントチャートなどのさまざまな図を生成できるライブラリです。GitHubのMarkdownなどでもサポートされており、ソフトウェア開発やドキュメント作成の現場では注目度が高まっています。
そんなMermaidを「インストール不要」でブラウザ上からすぐに試せるのが、Mermaid Live Editorです。URLを開くだけで編集画面が利用できるため、ちょっとした作図やチーム内での共有に非常に便利なサービスとして重宝されています。
2. 主な特徴
2-1. インストール不要ですぐに使える
Mermaid Live Editor最大の利点は、ソフトウェアのインストールや開発環境の構築が一切不要な点です。
ローカル環境でMermaidを使おうとすると、npmやNode.jsなどをセットアップする必要がありますが、Mermaid Live EditorならブラウザでURLを開くだけで作業を始められます。
- ちょっと試しに図を描きたいとき
- ドキュメントを素早く共有したいとき
ワンクリックで使い始められる手軽さは、忙しい開発現場やドキュメント作成の場面でも大きなアドバンテージとなります。
2-2. リアルタイムプレビューでスムーズに作図
Mermaid Live Editorを開くと、左側にテキスト入力欄、右側にプレビュー欄が並んで表示されます。
左側の入力欄にMermaidの記法を入力すると、右側のプレビューが即時に更新されます。表記のミスや構文エラーがあった場合でもすぐに気づき、修正できるので効率的です。
Mermaidの文法は比較的シンプルで、英語の命令文のような感覚でフローを定義できる点も魅力的です。慣れるまでに少し練習は必要ですが、テンプレートを活用すればフローチャートやシーケンス図をすぐに描き始められるでしょう。
2-3. 共有が簡単でチーム作業に最適
Mermaid Live Editorには「Share」ボタンが用意されています。
ボタンをクリックすると自動生成されたURLが表示され、そのリンクを他の人に渡すだけで同じ図を再現できます。ドキュメントのレビュー時や仕様説明の際に、即座に修正・共有が可能です。
画像ファイルをわざわざ作り直して差し替える必要がなく、リンク先のテキストを編集するだけで常に最新の図を共有できるため、チーム作業の効率化に大きく貢献します。
2-4. 多彩なエクスポート機能
作成した図はPNGやSVG、PDFといったさまざまな形式でエクスポート可能です。
- PNG: 一般的な画像形式なので、ウェブページやスライドに貼り付けやすい
- SVG: 拡大・縮小しても画質が劣化しないベクタ形式
- PDF: そのまま資料として印刷したり、ドキュメントに組み込んだりしやすい
エクスポート機能を活用することで、WordPressなど他のプラットフォームにもスムーズにビジュアルを埋め込むことができるでしょう。
3. 実際に使うときの流れ
実際の操作感を簡単にご紹介します。
- Mermaid Live Editorにアクセス
ブラウザで https://mermaid.live/ を開きます。特別な設定やインストールは不要です。 - サンプルコードを活用
エディタ内には、あらかじめサンプルコードが用意されていることがあります。最初はこれを活用して、どのように記述するとどんな図になるかを確認してみましょう。 - 記法に合わせて図を作成
例えば、フローチャートなら以下のような記述をします。flowchart LR A[Start] --> B{Decision} B -->|Yes| C[Action 1] B -->|No| D[Action 2]
すると、プレビュー欄にフローチャートがリアルタイムに表示されます。
- エクスポートまたは共有
完成したら「Share」ボタンをクリックして、URLをコピーしておくと他の人にもすぐに見せられます。必要に応じて、PNG・SVG・PDF形式にエクスポートしてローカルに保存してください。
4. 運用のコツ
4-1. ローカルストレージの活用とバックアップ
Mermaid Live Editorは、ブラウザ上のローカルストレージに編集履歴を保存します。
一時的な中断やちょっとした修正であれば、再度アクセスしたときに前回の状態が残っていることが多いです。
ただし、大切な図表はテキストをコピーして別途ファイルとして管理しておくのがおすすめです。
4-2. バージョン管理との相性が良い
Mermaidの記法はテキストで完結するため、GitやSubversionなどのバージョン管理システムとの相性が非常に良いです。
Mermaid Live Editorで作った記法をGitリポジトリに保存しておけば、いつでも過去の変更履歴を振り返ることが可能です。チームでの共同作業でも差分が見やすく、レビューしやすいのがメリットです。
4-3. チーム内での標準化
プロジェクト内でMermaidを使う場合、記法のルールや使用する図の種類をある程度決めておくと混乱が少なくなります。
- フローチャート、シーケンス図、ガントチャートなど、用途に応じて使い分ける
- 図のレイアウトやラベルの付け方に一定のガイドラインを設ける
こうした取り決めを行うことで、ドキュメントとしての統一感が増し、他のメンバーが理解しやすい環境を作れます。
5. まとめ
Mermaid Live Editor (https://mermaid.live/) は、テキストベースで図表を作成できるMermaidを手軽に試せるオンラインサービスです。インストールや設定が不要で、ブラウザからすぐに利用できるため、以下のメリットがあります。
- 手軽さ: URLを開くだけで始められ、試し書きや共有が簡単
- リアルタイムプレビュー: 入力内容を即時に視覚化できる
- 共有とエクスポートが豊富: リンクやPNG・SVG・PDF出力で簡単に情報を共有可能
- バージョン管理との好相性: テキストデータなので、Gitなどで差分管理が容易
ソフトウェア開発はもちろん、プレゼン資料の作成や組織内のフロー整理など、あらゆる場面で役立つポテンシャルを秘めています。特に、バージョン管理システムとの親和性や、オンラインでの即時共有のしやすさは他の図作成ツールにはない大きな強みです。
まだ使ったことのない方は、ぜひ一度Mermaid Live Editorにアクセスしてみてください。短時間で学習でき、アイデア次第で多様な用途に応用できるはずです。迅速かつ柔軟に図を扱えるこのツールを活用して、プロジェクトのコミュニケーションやドキュメントの質をさらに向上させましょう。